現状、クリニックはどこも人材(特に看護師)は不足しています。
税理士としてそれなりに長く、色々なクリニックを見てきましたが、職員の定着率が安定しているクリニックの特徴を挙げてみます。
待遇が手厚い
今の時代、勤務者にとって、給与・賞与が全てです。
売り手市場が続いているならば、ひとつの職場で長く働くことへの古典的価値観を選ぶよりも、自分を高く評価し給与を多く出してくれる職場を選ぶのは当然なことと思います。
給与を弾むと言っても、全ての職員を同等に扱う必要はありません。
どこのクリニックにも、「この人だけは辞められたら困る」という方はいるはずです。
辞められたら困る職員には、給与で還元するということはとても大切なことです。
そういう人は、たいてい業務負担も重くなりがちになっているので、その分を給与に反映し、かつ賞与支給の際にも他と差をつけるべきと思います。
総じて、給与について手厚く職員に支給しているクリニックの離職率は低いです。
どんなに「あなたが必要だ」と言われても、給与が低ければ、その言葉はウソになります。
特に、辞められたら困るようなクリニックのコアとなる人は、大切にするべきです。
また、クリニックは女性が主の職場であり、出産子育てを経ながら働いてくれるような職員もいます。
子育てをしながらクリニックで働くのは、体力的にも精神的にもかなりの負担のはずですが、職員が定着しているクリニックは、その点に理解があります。
そういうクリニックは、先生が職員の家庭状況を把握して、勤務時間を調整してあげています。
密にコミュニケーションを取っている
クリニックであれば看護師、事務職など複数の職員に勤務してもらうことになります。
クリニックに限らず、組織になれば少なからず職員同士の衝突は避けられないことがあります。
そのときに頼りになるのは、基本的に院長もしくは院長夫人しかいません。
職員の定着率が高いクリニックは、そういった事態に、職員と話し合い、風通しの良い職場環境を作り上げています。
職員と密にコミュニケーションを図ることは、永くクリニックを経営していく上で重要です。
また、賞与支給の際は、職員と個別に話し合っている先生は信用されています。
クリニックの経営状態の低下により、止むを得ず例年に比べ昇給率を低く設定することはあると思います。
にも関わらず、職員に何も伝えないまま支給すると、自分に落ち度があったのかと邪推して、クリニックから心は離れて行きます。
職員にとっても、自分がどれだけ大切に思われているかを感じるか否かで、仕事へのモチベーションは異なります。
職場への不平不満は誰にでもあるので、そういう点を理解し、こまめに話し合っている先生は、信頼関係も深い感じがします。
福利厚生が充実している
残業代、有給、育休、産休などの福利厚生が整備されているのは、今の時代当たり前のことです。
それらが整備して適切に処理されているか、職員であれば当然見ています。
他士業について多くは語りませんが、職員を多く抱えるクリニックにとって、社会保険労務士の果たす役割は大きいと思います。
補助金などの質問が、職員から社会保険労務士へ直接行くこともあります。
できる限り、職員と密にコミュニケーションの取れる社会保険労務士と連携をする方が良いです。
退職金について考えている
一般的な個人事業主や1人医師医療法人規模のクリニックに関し、就業規則に退職金について記載があることはあまりありません。(そもそも得策ではない。)
ただ、退職金の有無は職員にとってかなり重要なことです。
職員の将来を少しでも考えている先生は、最低限の対策はしています。
具体的には中小企業退職金共済や、医療法人であれば保険加入など、方法は色々ありますが、それぞれメリット、デメリットはあるので、仔細を検討して、いずれは職員と共有できることが理想です。
まとめ
10年以上長く尽くして働いてくれる職員は、少なくともクリニックに愛着を持ってくれているはずであり、クリニックにとっては大切にしたい存在です。
永く働いてもらいたい職員がいる場合は、多忙な診療業務が続く状態でも、できるだけその方に気を配り、寄り添うことが大切と思います。










