従業員を何十人も抱える事務所の長は全てがデカい

独立して一人事務所を経営していると、従業員を何十人、何百人と抱える税理士事務所の長は改めて凄いと感じさせられます。

その理由を書きました。

胆力が尋常ではないから

従業員数十名規模の所長(自分の力で、従業員0人から伸し上った方)には、過去に勤務していたところも含め、何人かと実際に話したことがあります。

印象は良くも悪くも、例外なく「強烈」。

それも装った強烈ではなく、生まれ持っての真の強烈。

人心掌握術に長けている側面も持ちつつ、自我を押し出す力は圧倒的な雰囲気です。

人間性はさておき、それだけのオーラを纏うからこそ、人が集まり巨大な集団へと化けていくのかなと感じます。

税理士などいわば曲者揃いであり、一般企業に勤めず資格保有を目指した時点で、常道から外れている人種です。

ある意味、個の集まりなので、それを束ねるには人並み以上の胆力が求められます。

手塩に掛け育て可愛がっていたつもりの従業員が、担当顧問先を持って行ったり、すり寄ってその会社の従業員になるなど、この業界ではしばしば聞く話。(醜い話ですが)

この事務所に骨を埋めると豪語していた人間ですら、理由は何にせよ突然独立していくケースなども普通にあります。

想定外の事態にも、それを受け入れて耐えなければなりません。

私と同じくらいの時期に独立した方は大勢いますが、私の知る限り従業員数十名単位にまでなった税理士事務所はありません。

一人税理士体制がほとんどです。

従業員がいたとしても会計担当者数名をパートで入れている程度。

そもそも大所帯体制を望んでいない人が大半と思いますが、それ以前に力量的に無理なのだと思います。

正直、唯我独尊的な人間でないと、この業界でのトップは務まらないと思います。

常人では無理。

実力はもとより、器量、度量、運、全て持っていないと、精神的にも肉体的にもやっていけません。

そういう人はトップの立場になっても、魂魄を擦り減らすような感覚が無いのだとおもいます。

不自由を受け入れているから

独立して一人で経営していると、良くも悪くも自由です。

開業税理士あるあると思いますが、早寝早起きの朝型人間になる方が多いと思います。

私もその一人。

仕事は早朝の方が捗るので、朝早く起きて仕事することがままあります。

仮に目覚まし時計をセットしても、それより先に目が覚めます。

昨日は顧問先訪問が無く、12月決算資料がある程度揃ったので、ひたすら決算作業。

昼食は混雑を避け、11時位に済ませます。

集中力はそんなに何時間も持たないので、仕事は15時位に切り上げ、その後筋トレしてランニング。

明日に備え、早めに寝ます。

こんな生活、勤務していた頃は考えられません。

まして税理士時事務所長であれば、その長としての振る舞いが、従業員にとっての模範にならなければなりません。

少なくとも、自由とは真逆の生活となると思います。

覚悟が無ければ、所長など到底務まりませんし、そういう立場が好きでないとできません。

私はどんなに金を積まれても、そんな立場になりたくはありません。

そもそもなれません。

仮に私が同じ立場になったら、3日で病んで床に臥せていると思います。

リスクを受け入れているから

私も独立した当初は顧問先0で始まっています。

自分の力で顧問先を開拓し、自分の責任で顧問契約まで漕ぎつけるのは、経営する側に立たないと絶対に分かりません。

1つの顧問契約を得るのにどれだけの労力を要するかは、独立しないと分からないと思います。

同じ税理士でも、開業税理士と勤務税理士には、その意識に大きな溝があります。

まして従業員を多く抱える税理士事務所の長は、常に新規顧問先を増やし続けなければなりません。

従業員が多く、売上規模を増やそうとするほど、それなりに大規模案件も受けていく必要があります。

顧問先数が増えるほど、また案件規模が大きいほどリスクは高まります。

それでも限りある人材で受け持っていかなければなりません。

この業界での人材は十人十色であり、案件を上手に担当へ振り分けるのは至難です。

まして新人など(新人でなくても)、どんな処理しているか分かりません。

案件数が多い場合、上司の目も行き届かなくなります。

まして所長が、全ての案件の隅々までチェックするなど到底できません。

すなわちリスクは果てしないものとなります。

従業員の行った行為の責任を取るのが所長であり代表です。

それを許容し受け入れる覚悟が無ければ務まりません。

まとめ

叩き上げで、従業員を何十人も抱える事務所の長は凄いと感じた理由を書きました。

個人的に人間性を崇め尊敬することはありませんが、独立して1人で経営していると、そのデカさを思い知らされます。

勤務していた時代には分からない感覚です。

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