「早くやる」のではなく、「早めにやる」

現在、年末調整の時期真っ盛りです。

年明けには、法定調書や給与支払報告書、償却資産税申告書etc

その後には確定申告が控えます。

これら全て「早くやる」ことは大事ですが、それより大切なことは「早めにやる」ことです。

さらに要約すれば、「早めに取り掛かる」ことが重要です。

見習うべき姿

私の尊敬する先輩で、確定申告100件以上抱えながら、2月中に全て終わらせている税理士がいます。

それも1人事務所経営。

だいぶ前の話ですが、ゴルフに誘われ、予定が合わず断ったことがありました。

その月は無理だったので、11月は如何かと話をしたところ、11月以降は確定申告の作業を始めるため無理とのこと。

当時の自分にとって少々衝撃でした。

11月から確定申告の準備を始める税理士は、世間にどれほどいるでしょうか。

早く取り掛かるとはそういうことで、メリハリが尋常でないのです。

些細なやり取りでしたが、この会話が独立した今の私の事務所方針に生きています。

早くやるとは異なる

早くやるというのは、早めに取り掛かることと意義が違います。

早く終わらせることは悪いことではありませんが、その結果ミスだらけ、挙句指摘されてクレームだらけでは意味がありません。

(過去に勤務した事務所でもそういう人はいました。)

早めに行うとは、できることから早めに取り掛かることを言います。

最悪なのは、期限ギリギリになって資料が足りない、取り寄せをお願いする等のどうしようもない状況です。

早めに取り掛かっていれば、早めに取り寄せて頂くことも可能だったはずです。

独立した身であれば、リスクヘッジも想定し、早期に取り組む姿勢が求められます。

税理士事務所でも、期限ギリギリに行っている人は、リスクヘッジを考えてもあまり独立に向いていないように思います。

準備して頂くよう上手に促す必要性

過去に勤務した税理士事務所(3か所の勤務経験あり)でも、記憶の限りで、早めに取り掛かっている人は少数派です。

確定申告も、3月15日ギリギリまでかかっている人が大半だったように思います。

本業に徹しているお客様にとって、忙しい最中での経理や確定申告等は煩わしいものと捉える方も少なくはありません。

その中で、いかにして書類の準備をスムーズに促せるか。

お客様と担当税理士の普段からのコミュニケーションが、上手く取れているかが肝要となります。

結局は段取りが全てです。

(税理士事務所で勤務している場合、担当者が顧問先を選ぶことができないので、一部不可抗力もありますが。)

過去勤務していた税理士事務所でも、私はどちらかと言えば早めに行っていた方だと思います。

私の場合は性格がせっかちで、かつ精神が小さいのが遠因でもありますが。

とりあえず早めに取り掛かって損した記憶はないので、独立した今でも、その方針を継続しています。

事業所得であれば、普段からの経理を早めにかつ正確に行う。

不明点があれば、即座にヒアリングして解消する。

医療費やふるさと納税の領収書等は進行期でも預れるので、預るたびに入力してしまう。

など、普段から地道に心掛けていれば、早めに終わらせることも可能です。

とにかく後回しにしないことです。

まとめ

確定申告以外の話ですが、来年以降も手続き面で色々と変更があります。

令和6年5月以降は、税務署から法人税などの納付書(予定納税含む)が届かなくなります。

令和7年1月以降は、申告書への押捺も無くなる予定です。

電子申告は当然ですが、ダイレクト納税やクレジットカード納税など、お客様への早めの案内も必要となるかと思います。

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