医療法人の顧問で、税理士と行政書士の連携は将来必須になるような気がする件

現在、ほとんどの医療法人は、税理士と顧問規約を締結していると思われます。

逆に、行政書士と顧問契約を結んでいる医療法人は少数派と思います。

ただ個人的に、いずれ行政書士(税理士兼行政書士ではなく、医療専門行政書士)と顧問契約を結ぶ医療法人は増えると思っています。

医療専門行政書士の経験値は大きい

医療法人は毎期決算終了から3か月以内に事業報告書を、管轄の都道府県等に提出しなければなりません。

そのチェックが厳しくなっているという声を聞きます。

(その一環かどうかは不明ですが、実際に令和5年8月から経営状況報告制度が始まります。)

いずれにせよ、将来的に厳しくなった場合に、それに対応する柔軟性を備える必要があります。

その場合、税理士兼行政書士ではなく、真に医療行政を専門に行っている行政書士に依頼する方が良いと、個人的には思っています。

税理士兼行政書士の場合、通常、あくまでメインは税理士業のはずであり、顧問報酬が主となります。

税理士と行政書士が集まる会に参加すると、社会人としてお互いに尊重し合っているのでしょうが、双方の主張などを聞いていると、実務面で何となく壁を感じることがあります。

税理士兼行政書士でも、真に医療に精通している先生の実力は凄まじいです。

それでも医療行政専門行政書士と比較し、許認可手続の経験値は違い過ぎると思っています。

税理士が医療法人化や定款変更を行うのは、年に数回あるかないかでしょう。

医療専門行政書士の場合、行政の担当者と顔見知りになっているケースも多いです。

それであれば、行政対応慣れしている行政書士に依頼するのがよりベストです。

とはいえ、今の段階(令和5年12月現在)では、まだ事業報告書の委任は税理士兼行政書士への依頼が好ましいと思っています。

詳細はここでは述べませんが、事業報告書の記載事項が仔細を求めていないことが理由の一つです。

士業同士の提携は顧問先にとって有意義

医療行政に係る問題が発生した際、税理士兼行政書士の言い分と、医療行政専門の行政書士の言い分であれば、どちらを聞くでしょうか。

常識的に考えれば、医療行政専門の行政書士の言い分を聞くと思います。

法が多様化して言う現在では、士業はそれぞれの専門分野で輝くことが求められます。

税法は税理士、医療法は行政書士、社会保険関係は社会保険労務士に任せ、ドクターにはできるだけ診療に専念して頂く。

これが一番理想的な形と思います。

医療法人に係る報告書等の現状

医療法人化の手続などをすると分かりますが、都道府県や各自治体によって手続内容が異なりすぎているのが、現在の問題点と思います。

定款一つ挙げてみても、地域によって記載内容に相違があります。

取りまとめるべき厚生労働省のホームページに定款例があるのに、地域によって異なる定款例が掲載されている意味も良く分かりません。

厚生局も保健所も、記載例どころか、提出書類や手続の順序まで異なります。

毎期の事業報告書も同様のように思います。

本来であれば、毎期の事業報告書で決算内容の詳細を調べ上げていくべきですが、今の事業報告書の例で、どれだけ内容を把握することができるのでしょうか。

定款変更の際のみ、内訳書等を詳しく調べられる現制度には不合理性を感じます。

定款変更は、特に移転か分院展開など急ぎの用件であるので、毎期きちんと決算内容を調べられていれば、審査によって貴重な時間を費消されることもないはずです。

毎期の事業報告と定款変更申請のチェックの在り方は、本来であれば逆であるべきでしょう。

私はいつか、上記の問題点が改善されるのではないかと個人的に思っています。

その際は、やはり医療行政専門の行政書士が活躍すると考えています。

まとめ

税理士と行政書士の連携の将来的な必要性について、個人的意見を述べました。

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