在宅医療充実体制加算の新設について

令和8年度の在宅医療に係る診療報酬改定で、一番大きい改定が、在宅医療充実体制加算と思います。

従来の在宅緩和ケア充実診療所・病院加算が廃止され、新たに新設された形となりますが、目を引くのが点数の高さであり、改定前のほぼ倍の点数に設定されています。

それゆえに点数要件のハードルも高いものとなっています。

引用:001686053.pdf

人員体制について

人員体制の要件は下記です。

・在宅医療を担当する常勤換算医師数が3名以上かつ常勤医師数が2名以上配置していること。

・機能強化型の在支診・病であって、自院単独で24時間連絡体制及び往診体制を確保していること。

常勤換算医師数が3名以上なので、診療所全体で、看護師も含め、一定数の職員を雇用している必要があります。

また肝となるのが、自院単独での往診体制確保が要件となっていることです。

より自院での診療体制が評価される改定となっており、連携型の機能強化型在支診も自院での往診体制を確保できていない場合には点数を引き下げられる形となります。

看取り・緩和ケア等の提供機能について

看取り・緩和ケア等の提供機能に関する主な改定は下記です。

・過去1年間で、緊急往診の実績を30件以上かつ看取りの実績と小児在宅患者数の合計が30件以上であること。

・緩和ケア研修を修了している常勤の医師が、在宅医療を担当していること。

・緩和ケア病棟又は在宅での1年間の看取り実績が10件以上の保険医療機関において、3か月以上の勤務歴がある常勤の医師が在宅医療を担当していること。

看取り実績が30件以上というのは相当なハードルであり、診療所内での人員が、ある程度充実していないと難しい要件です。

また、常勤担当に関する具体的は勤務実績も求められるようになっています。

重症患者の診療体制について

重症患者の診療体制に関する要件は下記です。

・当該保険医療機関が在宅医療を提供する患者のうち、「別表第8の2」に該当する重症度の高い患者と終末期の患者の合計が2割以上であること。

・訪問診療を担当する時間について常勤換算した医師数1人当たりの、訪問診療を実施する患者の実人数が100人以下であること。

重症患者の割合2割以上、医師1人当たりの患者人数100人以下など、重症患者への在宅医療に重きを置いた改定です。

軽症患者を数多く診て、利益を稼ぐことを防いでいる形となっています。

医師等の教育実績について

医師等の教育実績に関する要件は下記です。

・過去2年度以内に、以下のいずれかの実績があること。(在宅医療に携わるものに限る。)

①大学の医学部医学科の単位認定を目的とした地域医療実習生の受入

②協力型臨床研修病院又は臨床研修協力施設として、地域医療の研修を目的とした研修医の受入

③内科領域、総合診療領域又は小児科領域の専門研修基幹施設又は専門研修連携施設として、専門 研修を目的とした専攻医の受入

④地域枠等の卒業後に都道府県内で一定期間医師として就業する契約を当該都道府県と締結している医師又はこれに準ずる医師(研修医を含む。)の受入

過去2年以内に研修医や実習生を受け入れている必要があります。

この要件はかなり厳しいもので、実際、先行投資で研修医の受入をしている診療所は、数としては少ないと思われます。

まとめ

在宅医療充実体制加算の新設は、加算を取れる診療所と取れない診療所がはっきり分かれる形となると思います。

点数が高い反面、要件もかなり厳しいため、自院がどちらの方向で行くのか、方針を確立することが重要となります。

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