税理士試験が終わると、税理士事務所への就職を考える方が多いと思います。
税理士事務所の選択について私見を述べます。
税理士事務所をどう選ぶか
世の中の働き方改革で、だいぶ業界の勤務実態も変わったと思います。(多分)
私の勤務時代、一般的に拡大志向の税理士事務所は、下記のような実態でした。
税理士事務所の離職率が高いと言われていた所以は、上記のような背景があるためです。
薄利多売で従業員を疲弊させるだけの税理士事務所に、未来があるとは思えません。
新たに勤める税理士事務所を探す場合、税理士事務所の紹介誌やHPなどを細かく見て判断することが賢明です。
特に下記の点を見るようにしましょう。
・幹部クラスに高齢が多くないか
・紹介されている幹部や従業員が男性ばかりでないか
・従業員数に占める税理士の数の割合が低くないか
この業界に知り合いが多い場合は、情報共有することを勧めます。
業界自体が狭いので、悪評がある場合は広まるのも早いものです。
最近はYouTubeなどで自社の宣伝をしている税理士事務所も多いので、色々とチェックすることを勧めます。(但し、WEB上に悪い面を載せるはずがないので、要注意)
最終的には自己責任です。
税理士事務所で何を学ぶか
税理士事務所に籍を置いた場合、自分にとって何を優先するかを考えるべきです。
真面目に朝から終電まで働く
↓
仕事をたくさん振られる
↓
事務所内で評価されるとともに、会議などでさらに忙しくなる
↓
毎日残業、下手すれば土日出勤して会社に尽くす
あくまで自分のペースで働く
↓
評価されず必要以上に仕事を振られない
↓
事務所の特殊なノウハウのみを学び、不必要な残業はしない
↓
早く帰り、その時間で将来の独立の為に研鑽をする
上記2つは極端な例でもあり、どちらが正しいとは言い切れません。
ただ、税理士事務所にとって価値のある人になりたいのか、自分の将来的な価値を自分で見出したいのか。
目指す自身の将来像により、自分の立ち振る舞いは変わると思います。
税理士資格をどう捉えるか
過去に勤務した事務所で、資格は取らないが実務経験が多いという方はそれなりにいました。
ベテランが故に将来安泰とでも思っていたのか知りませんが、事務所の体制が変わったあとに半分お払い箱的な存在になり、泣く泣く退職に追い込まれていった方は実際います。
他責か自責かと問われれば、自責です。
先のことを考えずに、ただ漫然と勤務していた自分が悪いのです。
この業界で生きていくには、税理士資格は必要です。
(あくまでこの業界に居続ける場合です。この業界で生きていかないのであれば、当然資格は不要であり、早く転職する方が好ましい。むしろそちらの方が、未来があるかも。)
そして税理士資格は、その目的は取得することではなく、あくまで自分の未来の為の手段です。
取って終わりでなく、取ってからどうするのか考えることの方が大切です。
将来性のある大規模な税理士事務所であれば、働き甲斐があり未来も明るいケースが多いでしょう。
また、独立すれば、自分のやりたいように自由に運営できます。
まとめ
税理士資格に対する私見を述べました。
膨大な年月と資金を浪費して取得した資格。
最大限に活かしたいものです。
事務所拡大に舵を切る
↓
顧問料を引き下げ、顧問先獲得に走る
↓
顧問先が増えるため、同時に従業員を増やす
↓
顧問先が増え仕事も増えるが、顧問料が安いため従業員の給料は増えない
↓
比較的短い期間で従業員の離退職するため、安い給料での従業員獲得を繰り返す